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恫喝訴訟(SLAPP: Strategic Lawsuit Against Public Participation)は企業や団体が自らに都合の悪い批判意見や反対運動を封殺するために起こす訴訟である。都合の悪い意見や批判を封じるための嫌がらせを目的とした裁判である。高額の賠償金が請求されることが多い。

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『製パン王キム・タック』は韓国ドラマである。パン製造会社コソン食品の会長ク・イルチュンが使用人のミスンに生ませた息子キム・タックが主人公で、彼の苦難の道を描く。会長夫人インスクや息子マジュンが敵役になるが、彼らも仕事優先で家庭を省みないイルチュンや封建的な家制度を体現した姑の犠牲者であり、主人公にばかり感情移入できない。そこにドラマとしての奥深さがある。パン製造時の演出は高揚感溢れる。(林田力)
http://hayariki.webnode.com/
林田力の家計簿
http://hayariki.ichi-matsu.net/
林田力「放送開始『家政婦のミタ』『HUNTER』は兄弟姉妹の関係性に注目」リアルライブ2011年10月18日
http://npn.co.jp/article/detail/70603894/
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俳優の高岡蒼甫の韓流批判発言に端を発した韓流偏重批判。フジテレビ抗議デモ主催者が交際を理由に活動終了を表明し、高岡蒼甫も謝罪するなど一段落の感があるが、周回遅れで日本弁護士連合会(日弁連)の理事会にも飛び火した。出席した理事によると、日本と韓国の弁護士会の交流会の名称を「韓日バーリーダーズ会議」と韓国を先に表記したことを問題視する意見が出されたという。
日弁連は言わずと知れた弁護士の上部団体である。貧困問題などへの取り組みで知られる宇都宮健児氏が2010年3月に会長に当選したことは大きな話題となった。理事会は規則制定や総会議案、各種意見書を審議する日弁連の議決機関である。
10月19日に東京都千代田区の弁護士会館1701号にて開催された理事会では福島原発事故をはじめ、様々な問題が審議された。たとえば、この日に承認された「放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針についての意見書案」では「除染の対象基準として追加被爆線量が年間1ミリシーベルト未満となることを目指すべき」などと主張する。出席理事からは「除染は単に放射性物質の場所的移動を行うだけで、全体量は変わらない」と除染の限界を指摘する意見も出された。
また、弁護士自身に直結する法曹人口問題では、適正な法的需給バランスの観点から急進的増加ではなく漸進的増加への移行方針を示すことが話し合われた。急激な増員は弁護士の質の低下、倫理観の減退を招き、市民にも具体的な弊害をもたらすことをデータなどで説明する方向である。
社会性があるテーマが続く中で、毛色の変わった質問が執行部の報告事項「第1回韓日バーリーダーズ会議」でなされた。これは9月23日から25日まで韓国済州島(チェジュ)で行われた韓国弁護士会との交流会議の報告である。
この会議では外国弁護士の受け入れなど両国の法曹に共通する問題が意見交換され、韓国では外国弁護士受け入れを自国弁護士の海外進出とリンクさせて考えていると報告された。ここでも既得権を固守しようとする内向きの日本と、外に打って出る元気のある韓国の差が浮き彫りになった。
この報告への質問は内容ではなく、表題に対してのものであった。会議の名称が「韓日バーリーダーズ会議」となっていることに噛み付いた。何故、「日韓」ではないのかという主張である。これに対して執行部は「韓国で開催する場合は韓日、日本開催は日韓とすると日韓双方で申し合わせしている」と説明した。
これはフジテレビに対する韓流偏重批判と同じ流れである。フジテレビもサッカーの日本と韓国の試合を「韓日戦」と表記して噛み付かれた。これに対してフジテレビは「開催国(ホーム)を前に、対戦相手国(アウェイ)を後に表記する原則に従った」と説明する。日弁連理事会にも飛び火した周回遅れの韓流偏重批判であるが、改めて国際感覚の乏しい自国中心主義が露呈した格好である。
http://www.hayariki.net/judge.html
『お嬢様をお願い!』は高慢でワガママな大財閥のお嬢様が二人のイケメンと繰り広げる韓国の恋愛ドラマである。随行執事となった自称韓国のディカプリオと、財閥2世の人権派弁護士の三角関係を描く。ユン・ウネが『宮 -Love in Palace-』の純粋な女子高生シン・チェギョンと同一人物とは思えないような自分勝手な令嬢を演じている。
ヒロインが性悪という点は『猟奇的な彼女』を始めとする韓流作品の定番的設定である。一方で『お嬢様をお願い!』では男性側も腹黒い動機を抱えている。双方とも問題があるために、可哀想との同情や身勝手さへの怒りを感じることなく、コメディとして楽しめる作品に仕上がった。脇役のウィジュが、いい味出している。(林田力)
http://hayariki.zero-yen.com/hanliu.html
林田力スポーツ
http://hayariki.kakuren-bo.com/
林田力の旅
http://hayariki.misujitate.com/
『アクシデント・カップル』は2009年放送の韓国ドラマで、トップ女優と冴えない郵便局員の格差カップルを描くラブコメディーである。トップ女優のハン・ジス(キム・アジュン)は記者の目を欺くために冴えない郵便局員ク・ドンベクを契約結婚する。ドンベクとの交流によってジスは本当の愛に目覚めていく。
イケメンだらけの韓国ドラマで珍しくイケてない男性が最初から最後まで主人公になった作品である。その代わりにヒロインのジスのトップ女優に相応しいスタイリッシュかつキュートな衣装が話題になった。オフのファッションやリゾートでのファッションも手を抜かない。
最初は美しいが冷たい印象も与えたジスが、ドンベクの真心に触れることで回を追う毎にチャーミングになっていく。ジスを演じるキム・アジュン(金亜中)の名前にはアジアの中心という大望が込められているが、その名前の相応しい存在感を発揮した。(林田力)
http://hayariki.net/hanliu.html
韓流(Korean wave)が席巻している。経済ではヒュンダイやサムソンが成長し、スポーツでもキムヨナがバンクーバー五輪で金メダルに輝いた。さらに文化までといった感がある。
日本における韓流の契機は韓国ドラマである。韓国ドラマの多くは情に厚く涙もろいとされる韓国人の民族性を反映し、喜怒哀楽が明快である。感情をオープンに表明する点が閉塞感漂う日本人をも魅了し、多くの韓流ファンを誕生させた。
韓流の嚆矢となった作品が『冬のソナタ』である。これは喜怒哀楽で言えば「哀」が特徴である。とにかく主人公のカン・ジュンサン(ペ・ヨンジュン)は、よく泣いた。これは日本の古い価値観「男は人前で泣くものではない」の対極にある。『冬のソナタ』は中高年女性に熱烈に支持された。その背景には古い価値観で育てられ、「めし」「風呂」「寝る」しか発言しないとまで揶揄された自国の同年代男性への物足りなさがあった。
その後、韓流ブームは若年層にも大きく広がった。それには『私の名前はキム・サムスン』などのコメディの効果が大きい。喜怒哀楽で言えば「喜」や「楽」が特徴である。「空気を読む」ことが要求され、身動きが取れなくなった日本では考えにくいような設定や言動が、突き抜けた笑いをもたらした。
残る感情は「怒」である。韓国ドラマでは「怒」の感情も明快である。登場人物が相手に聞こえるように舌打ちをするシーンは頻繁にある。ある意味で「上品」な日本のドラマでは考えにくいシーンである。
一方で韓国の「怒」の感情は日本人にとっては苦手な面もある。この感情は韓流ブーム以前から日本人が直面していたものである。日本の植民地支配に起因する根強い反日感情である。それ故に日本では、あまり肯定的に評価されていない。植民地支配の責任から目をそらしたい日本にとっては過去を直視するよりも未来志向と嘯く方が好都合だからである。
しかし、韓国文化を表す言葉として「恨(ハン)」が挙げられるように、怒りの感情は韓国文化を理解する上で重要である。「喜」「楽」「哀」だけを楽しみ、「怒」を理解しないならば韓国理解として不十分である。植民地支配の前科を持つ日本人にとって「恨」の感情は知らないで済ませたいものかもしれない。しかし、韓国ドラマによって自然に理解することができる。
たとえばKBSが2010年から放送した『シンデレラのお姉さん』がある。フジテレビの「韓流α」で2010年10月5日から11月2日まで放送された。これは童話「シンデレラ」をシンデレラの姉の目線で再解釈した作品で、親の再婚で姉妹となった対照的な二人の女性を描く。
主人公ウンジョ(ムン・グニョン)は日本への輸出詐欺の犯人が分かったらどうするつもりかと聞かれ、犯人を一生憎み続けると答えた。犯人が分かれば生きる力を得る、憎む力で死ぬまで幸せになれると言う。また、詐欺の黒幕の経営者には「やられたことはお返しします」と宣言する。
さらにウンジョの妹ヒョソン(ソウ)にも驚かされる。ヒョソンは人が良すぎるほど優しくて明るい性格であったが、継母ガンスクが実父を裏切っていたことを知って豹変する。
「逃がさないわ。あなたを一生、苦しめてやる。罪を償いながら生きるのよ」
ヒョソンは面と向ってガンスクを罵倒することはないが、それがかえってガンスクには手痛い打撃になる。
非歴史的と揶揄される日本人は怨恨を抱き続けるよりも、過去を水に流して前向きに生きることを是としがちである。しかし、それは自分の中にある確かな感情から逃げ続けることになる。この点で怨恨をエネルギーにしている『シンデレラのお姉さん』のキャラクター達に清々しさすら感じられる。
日本では韓国ドラマをきっかけとした韓流であるが、ファッションや料理など韓国文化全体に広がっている。そこには韓国ドラマの文化発信力の巧みさがある。韓国ドラマに影響されてマッコリを飲むようになった人は多い。
また、韓国ドラマでは若年層向けのドラマでも、たとえば親戚の叔父・叔母などの高齢者の役柄は、民族衣装を着ていることが多い。この結果、海外の視聴者も自然と韓国の伝統文化に入り込むことができる。
クール・ジャパンと称されるようにソフト・コンテンツは日本が世界をリードできる数少ない分野と考えられてきた。しかし、実際のところ、世界市場で強い分野はゲームとアニメの一部に過ぎない。コンテンツ産業全体で見ると、映画や音楽など日本は圧倒的に輸入超過であり、コンテンツ立国と呼ぶには恥ずかしい水準である。
しかも、日本の得意分野にも韓流が進出している。2010年7月にフランス・パリ郊外で開催されたジャパン・エクスポは日本のマンガやアニメなどの見本市であるが、韓国マンガ「MANHWA(マンファ)」も出展された。また、アジアで最も権威のある映画祭は東京国際映画祭ではなく、釜山国際映画祭である。
韓国の猛追について二つの点から指摘したい。
第一に長期的かつ戦略的な文化産業育成政策の差である。韓国ではコンテンツ振興院という専門機関を設置し、海外戦略づくりや人材育成などを積極的に実施している。これに対し、日本では戦略的に動いているようには見えない。戦略的思考の差はKARAや少女時代らK‐POP女性アイドルグループが粗製乱造気味の日本のアイドルグループを圧倒している現状を連想する。
日本にはコンテンツ産業の世界戦略について明確な認識を有している政治家が存在するだろうか。日本ではアニメ・マンガの殿堂(国立メディア芸術総合センター)を建設する計画が持ち上がったが、ハコモノ行政の延命策に過ぎなかった。
これからは物と文化の相乗効果が重要になる。遅かれ早かれ物の大量生産・大量消費の経済は曲がり角を迎える。その結果、物の消費は節約的になり、情報を消費する経済になる。情報の消費に節約はない。情報は無尽蔵だからである。情報消費型の経済では文化力が重要になる。
日本では、未だ物(製造業)と金融という感覚に留まっているが、これが物と金融と文化となってくる。今後はアニメのような文化力が物の販売の競争力に影響する時代になってくる。その点では、韓国が日本に先行している。日本は消費者をウンザリさせる露骨なタイアップを除き、文化力を物の販売の競争力に結びつける積極的な感覚が乏しい。
第二に日本のコンテンツの内向き意識である。確かにオタク(OTAKU)文化は世界に通用するものである。しかし、世界で持ち上げられるオタク文化は日本国内で必ずしもメジャーではない。むしろ、国内で圧倒的に支持されているコンテンツは実はオタク文化ではない。書籍では以下のように表現する。
「ヒットしているドラマ、映画、小説、音楽は、明らかにヤンキー層をターゲットにした作品である。こうした状況を見るとヤンキーコンテンツがマスであり、オタクコンテンツはそのオルタナティブでしかないというのがよくわかる。」(速水健朗「ヤンキーブームを常に支えるナンシー関と日本人の美意識」『別冊サイゾーvol.1 タブー破りの本300冊 サイゾー11月号臨時増刊』2010年、83頁)
そしてヤンキーコンテンツの例として『クローズZERO』や『ROOKIES』を挙げる。
このヤンキー文化がメジャーなポジションにのさばっていることが日本文化の弱点である。何故ならばヤンキー文化は国内、さらには特定世代にしか通用しない傾向が強く、国際的な文化発信力が弱い。
しかも、オタクにとってヤンキーは有害で迷惑な存在でしかない。『電車男』のモデルが典型的であるが、オタクの集うインターネット掲示板「2ちゃんねる」で暴走族を「珍走団」という彼らの行動に合った恥ずかしい名前に読み替える運動が広がったことが象徴している。
日本はオタク文化が世界で賞賛されながらも、コンテンツ輸入国であり、韓流に席巻されている。そこには国内でメジャーなコンテンツを堂々と輸出できる韓国と、メジャーなものが恥ずかしいヤンキー趣味に汚染された日本の差がある。(林田力)
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