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恫喝訴訟(SLAPP: Strategic Lawsuit Against Public Participation)は企業や団体が自らに都合の悪い批判意見や反対運動を封殺するために起こす訴訟である。都合の悪い意見や批判を封じるための嫌がらせを目的とした裁判である。高額の賠償金が請求されることが多い。

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2011/10/12 (Wed)
勢いに乗る韓流
韓流(Korean wave)が席巻している。経済ではヒュンダイやサムソンが成長し、スポーツでもキムヨナがバンクーバー五輪で金メダルに輝いた。さらに文化までといった感がある。
日本における韓流の契機は韓国ドラマである。韓国ドラマの多くは情に厚く涙もろいとされる韓国人の民族性を反映し、喜怒哀楽が明快である。感情をオープンに表明する点が閉塞感漂う日本人をも魅了し、多くの韓流ファンを誕生させた。
韓流の嚆矢となった作品が『冬のソナタ』である。これは喜怒哀楽で言えば「哀」が特徴である。とにかく主人公のカン・ジュンサン(ペ・ヨンジュン)は、よく泣いた。これは日本の古い価値観「男は人前で泣くものではない」の対極にある。『冬のソナタ』は中高年女性に熱烈に支持された。その背景には古い価値観で育てられ、「めし」「風呂」「寝る」しか発言しないとまで揶揄された自国の同年代男性への物足りなさがあった。
その後、韓流ブームは若年層にも大きく広がった。それには『私の名前はキム・サムスン』などのコメディの効果が大きい。喜怒哀楽で言えば「喜」や「楽」が特徴である。「空気を読む」ことが要求され、身動きが取れなくなった日本では考えにくいような設定や言動が、突き抜けた笑いをもたらした。
残る感情は「怒」である。韓国ドラマでは「怒」の感情も明快である。登場人物が相手に聞こえるように舌打ちをするシーンは頻繁にある。ある意味で「上品」な日本のドラマでは考えにくいシーンである。
一方で韓国の「怒」の感情は日本人にとっては苦手な面もある。この感情は韓流ブーム以前から日本人が直面していたものである。日本の植民地支配に起因する根強い反日感情である。それ故に日本では、あまり肯定的に評価されていない。植民地支配の責任から目をそらしたい日本にとっては過去を直視するよりも未来志向と嘯く方が好都合だからである。
しかし、韓国文化を表す言葉として「恨(ハン)」が挙げられるように、怒りの感情は韓国文化を理解する上で重要である。「喜」「楽」「哀」だけを楽しみ、「怒」を理解しないならば韓国理解として不十分である。植民地支配の前科を持つ日本人にとって「恨」の感情は知らないで済ませたいものかもしれない。しかし、韓国ドラマによって自然に理解することができる。
たとえばKBSが2010年から放送した『シンデレラのお姉さん』がある。フジテレビの「韓流α」で2010年10月5日から11月2日まで放送された。これは童話「シンデレラ」をシンデレラの姉の目線で再解釈した作品で、親の再婚で姉妹となった対照的な二人の女性を描く。
主人公ウンジョ(ムン・グニョン)は日本への輸出詐欺の犯人が分かったらどうするつもりかと聞かれ、犯人を一生憎み続けると答えた。犯人が分かれば生きる力を得る、憎む力で死ぬまで幸せになれると言う。また、詐欺の黒幕の経営者には「やられたことはお返しします」と宣言する。
さらにウンジョの妹ヒョソン(ソウ)にも驚かされる。ヒョソンは人が良すぎるほど優しくて明るい性格であったが、継母ガンスクが実父を裏切っていたことを知って豹変する。
「逃がさないわ。あなたを一生、苦しめてやる。罪を償いながら生きるのよ」
ヒョソンは面と向ってガンスクを罵倒することはないが、それがかえってガンスクには手痛い打撃になる。
非歴史的と揶揄される日本人は怨恨を抱き続けるよりも、過去を水に流して前向きに生きることを是としがちである。しかし、それは自分の中にある確かな感情から逃げ続けることになる。この点で怨恨をエネルギーにしている『シンデレラのお姉さん』のキャラクター達に清々しさすら感じられる。
日本では韓国ドラマをきっかけとした韓流であるが、ファッションや料理など韓国文化全体に広がっている。そこには韓国ドラマの文化発信力の巧みさがある。韓国ドラマに影響されてマッコリを飲むようになった人は多い。
また、韓国ドラマでは若年層向けのドラマでも、たとえば親戚の叔父・叔母などの高齢者の役柄は、民族衣装を着ていることが多い。この結果、海外の視聴者も自然と韓国の伝統文化に入り込むことができる。
クール・ジャパンと称されるようにソフト・コンテンツは日本が世界をリードできる数少ない分野と考えられてきた。しかし、実際のところ、世界市場で強い分野はゲームとアニメの一部に過ぎない。コンテンツ産業全体で見ると、映画や音楽など日本は圧倒的に輸入超過であり、コンテンツ立国と呼ぶには恥ずかしい水準である。
しかも、日本の得意分野にも韓流が進出している。2010年7月にフランス・パリ郊外で開催されたジャパン・エクスポは日本のマンガやアニメなどの見本市であるが、韓国マンガ「MANHWA(マンファ)」も出展された。また、アジアで最も権威のある映画祭は東京国際映画祭ではなく、釜山国際映画祭である。
韓国の猛追について二つの点から指摘したい。
第一に長期的かつ戦略的な文化産業育成政策の差である。韓国ではコンテンツ振興院という専門機関を設置し、海外戦略づくりや人材育成などを積極的に実施している。これに対し、日本では戦略的に動いているようには見えない。戦略的思考の差はKARAや少女時代らK‐POP女性アイドルグループが粗製乱造気味の日本のアイドルグループを圧倒している現状を連想する。
日本にはコンテンツ産業の世界戦略について明確な認識を有している政治家が存在するだろうか。日本ではアニメ・マンガの殿堂(国立メディア芸術総合センター)を建設する計画が持ち上がったが、ハコモノ行政の延命策に過ぎなかった。
これからは物と文化の相乗効果が重要になる。遅かれ早かれ物の大量生産・大量消費の経済は曲がり角を迎える。その結果、物の消費は節約的になり、情報を消費する経済になる。情報の消費に節約はない。情報は無尽蔵だからである。情報消費型の経済では文化力が重要になる。
日本では、未だ物(製造業)と金融という感覚に留まっているが、これが物と金融と文化となってくる。今後はアニメのような文化力が物の販売の競争力に影響する時代になってくる。その点では、韓国が日本に先行している。日本は消費者をウンザリさせる露骨なタイアップを除き、文化力を物の販売の競争力に結びつける積極的な感覚が乏しい。
第二に日本のコンテンツの内向き意識である。確かにオタク(OTAKU)文化は世界に通用するものである。しかし、世界で持ち上げられるオタク文化は日本国内で必ずしもメジャーではない。むしろ、国内で圧倒的に支持されているコンテンツは実はオタク文化ではない。書籍では以下のように表現する。
「ヒットしているドラマ、映画、小説、音楽は、明らかにヤンキー層をターゲットにした作品である。こうした状況を見るとヤンキーコンテンツがマスであり、オタクコンテンツはそのオルタナティブでしかないというのがよくわかる。」(速水健朗「ヤンキーブームを常に支えるナンシー関と日本人の美意識」『別冊サイゾーvol.1 タブー破りの本300冊 サイゾー11月号臨時増刊』2010年、83頁)
そしてヤンキーコンテンツの例として『クローズZERO』や『ROOKIES』を挙げる。
このヤンキー文化がメジャーなポジションにのさばっていることが日本文化の弱点である。何故ならばヤンキー文化は国内、さらには特定世代にしか通用しない傾向が強く、国際的な文化発信力が弱い。
しかも、オタクにとってヤンキーは有害で迷惑な存在でしかない。『電車男』のモデルが典型的であるが、オタクの集うインターネット掲示板「2ちゃんねる」で暴走族を「珍走団」という彼らの行動に合った恥ずかしい名前に読み替える運動が広がったことが象徴している。
日本はオタク文化が世界で賞賛されながらも、コンテンツ輸入国であり、韓流に席巻されている。そこには国内でメジャーなコンテンツを堂々と輸出できる韓国と、メジャーなものが恥ずかしいヤンキー趣味に汚染された日本の差がある。(林田力)
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